これまでもっとも有効だと思われていたラミブジンには耐性ウイルスをはじめさまざまな問題がありました。
しかし2006年9月に日本でも画期的な治療薬が発売されました。
それが2005年3月に米国食品医薬品局(FDA)から認可を受けたバラクルード(一般名エンテカビル)です。
バラクルードはこの時点ですでに、EUを含む20ヶ国以上の国と地域で承認されていました。
バラクルードは耐性ウイルスが出現する可能性が3年で5~10%と低い上に、高い治療効果を持つ新薬です。
B型肝炎ウイルスのDNAポリメラーゼに対して、強力な阻害活性を持っています。
またバラクルードの効果は抗ウイルス薬としてB型肝炎ウイルスの増殖を抑え込むだけではありません。
肝機能の異常が確認されたB型慢性肝炎に対しても効果を発揮するのです。
B型肝炎が進行すると肝硬変が起こりますが、 バラクルードはこのようなステージが進んだ患者の治療にも有効です。
B型肝炎の肝硬変治療ではこれまでラミブジンに代表される核酸アナログ製剤による抗ウイルス治療が用いられてきました。
GOT・GPTの数値を下げ、肝機能を温存する一方で、ウイルス増殖を抑制し、肝ガンになるのを防ぐためです。
しかしラミブジンの投与にあたっては、耐性ウイルスの出現が大きな問題となっていました。
同じ核酸アナログ系のバラクルードの登場により、ステージが進んだ患者の治療状況は大きく変わりました。
投与による耐性ウイルスの出現率がラミブジンに比べ低く抑えられる上に、抗ウイルス効果も高いためです。
そのため現在ではラミブジン(商品名ゼフィックス)ではなく、バラクルードが第一選択薬となっています。
バラクルードの問題点は、その治療費用の高さです。
莫大な費用を投じて開発された新薬のため、薬価が高く、当面は下がりません。
抗ウイルス薬は一度飲み始めたら、基本的に一生飲み続けなければならないため、治療費用の問題は軽視できないのです。
この問題が次で述べるB型慢性肝炎治療ガイドラインにも影響を与えています。