B型慢性肝炎に対する治療法として、確実に効能が立証されている薬がラミブジンです。
ラミブジンは商品名がゼフィックス(グラクソ・スミスクライン社製)といい、もともとはエイズ(HIV)の治療用に開発された薬です。
ラミブジンは内服の抗ウイルス薬ですが、B型慢性肝炎の治療にも効果があることがわかり、2000年に認可されました。
ラミブジンはB型肝炎ウイルス(HBV)の増殖に必要な逆転写酵素の働きを阻害します。
これにより間接的にB型肝炎ウイルスの増殖を防ぐため、逆転写酵素阻害薬と呼ばれています。
また効能がウイルスの増殖を阻害することにあるため、当然、肝機能が正常なキャリアに対しては投与することはできません。
ラミブジンの臨床試験は京都府立医科大学第三内科をはじめとした全国37病院で行われました。
その際、投薬開始直後からB型慢性肝炎患者の血液中のB型肝炎ウイルス量が急減、2ヶ月後には80%が陰性になりました。
GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)の数値も大幅に改善し、40%が正常化したのです。
HBe抗原がなくなることはほとんど期待できないものの、肝臓の炎症や繊維化に対してはすぐれた効果を発揮します。
ラミブジンの一番の問題点は長期間使用すると耐性ウイルス(YMDD変異ウイルス)ができてしまうことです。
ラミブジンは治療を2~3年継続して受けると、およそ7割の患者さんに耐性ウイルスが出現します。
そのため使用はおもに活動性(グレード)が高く、ウイルスが活発に増殖している状態に限られています。
具体的にはGPTの数値が正常の5倍以上あったり、肝臓の繊維化が進んで肝硬変を起こしそうなときに投与されます。
ラミブジンに耐性を持った耐性ウイルスは、ラミブジンの投薬を中止した際に現れることが多いようです。
耐性ウイルスが出現すると、およそ5割の患者さんが肝炎が悪化しました。
臨床試験に参加した患者で見ても、投薬された方の6%が入院し、1人は肝不全で死亡しています。
そのため投薬をやめるタイミングが難しく、肝臓の専門医でも判断に苦しむことがあります。
YMDD変異ウイルスが現れた場合には、インターフェロンや強力ネオミノファーゲンCなどが併用されます。
インターフェロンは1日300~1000万IUを、1ヵ月~半年投与されます。
またラミブジンそのものがエンテカビル(商品名バラクルード)などに切り替えられて治療が行われます。
ラミブジンは強力な分、副作用も多く、耐性ウイルスの問題もあるため使用は限定的です。
ラミブジンを用いる場合、患者は薬の量や投与法をきちんと守り、定期的に医師の診察と血液検査を受ける必要があります。