劇症肝炎も一般の急性肝炎と同じく、食欲不振や発熱、だるさ、吐き気、黄疸の症状から始まります。
これらの症状はふつうは2週間から長くても1ヵ月ほどで自然に治ってくるのですが、劇症肝炎はこれがさらに悪化します。
風邪のような症状がどんどんひどくなり、黄疸が進み、ついには意識障害に陥ります。
B型劇症肝炎による意識障害の症状は、呼べば答える段階から、よびかけても答えられない昏睡の段階へと進んでいきます。
そのため患者の家族やパートナーは、意識のレベルに注意しなければなりません。
少しでもおかしな言動が現れてきたらできるだけ早く病院に連れて行く必要があります。
急性肝炎患者の多くはベッドで安静にしているだけで治りますが、重症化すると状態が一気に悪くなります。
肝臓の作業能力をあらわすPT(プロトロンビン時間)が40%以下の「急性肝炎重症型」になると恐ろしい症状が現れてきます。
急性肝炎重症型では、アンモニアが脳へまわり、睡眠のリズムが乱れて昼夜が逆転する症状が現れます。
これは「肝性脳症」と呼ばれる意識障害の一種です。
この症状が現れてくると、患者の内の8割が劇症肝炎に移行します。
この劇症肝炎患者の内、およそ40%がB型急性肝炎からの移行だと言われています。
劇症肝炎では生存率がぐっと低下します。
発症から10日以内に脳症が現れる急性型で生存率は30%。
11日以後に脳症が現れる亜急性型だと生存率はなんと15%にまで下がります。
B型肝炎患者のみに限った場合、生存率は40%~50%。
なぜ劇症化するのか原因は不明のため、現在のところ一番の予防策は「急性肝炎にならない」ことでしかありません。
B型肝炎においては感染予防がもっとも大切なのです。
劇症肝炎治療の鉄則は、とにかく早めに手を打つことです。
ステロイド剤の大量投与や、血漿交換療法、血液濾過透析療法などを行えば、治癒率はぐっと高まります。
肝臓がおかしいと思ったら、早めに必ずお医者さんにかかる。少しの油断やためらいが生死にかかわるのです。